女子高の同窓会での話

小中高一貫の私立の女子高で過ごした私だが、なぜかお嬢様には見えないらしい。
私が「小中高私立の女子高話」をすると、人の反応は決まって「もしかしてお嬢様?」と言われる。
必ず「もしかして」という前置詞が入る。

もちろん充分な教育と環境を与えてくれた両親には感謝しているし、優しく凛とした気風でのびのびと生徒を育ててくれる素晴らしい女子高だったから愛校心も強い。
ところが、本当にマイナーな女子高だったので、卒業校を聞かれて、その女子高の名前を言っても、地元の人でさえ知らないという、なんとも微妙な学校なのも事実だ。

そうはいっても100%女しかいない女子高。
「カッコイイ先輩に憧れる」という“女子高あるある”の例にもれず、私もバレンタインデーには、いくつかチョコレートをもらった事がある。
バスケ部でショートカットの男顔系だったのも理由のひとつだろう。

しかし、私の同級生には今でも「伝説」と言われる女子が2人いた、仮にHとIとしておこう。
Hの身長は170cmほど、細見で色が白く、顔は芸能人並みか、それ以上といっても過言ではないうえ、統率力があるかっこいい女だった。

Hが廊下を歩くと、後ろから後輩が十数人ついてきて、教室の扉からは、まさに目がハートになった女の子たちが、その姿に羨望のため息をつくといったほどで、私たちの間では「H軍団」と呼んでいた。

そして、もうひとりのIは小悪魔的な魅力があり、グイグイと人を引き付け、人を飽きさせないさばさばした女子だった。
彼女のファンも多く「Iファンクラブ」もあった。

そして、ふたりはとても仲が良く、いつもつるんでいた。
その様子は、今でいうと、まさにヅッカヅカ。
宝塚の雪組と星組の男役が共演しているような華やかさだった。

それから数十年。
アラフォーになった私たちが、本当に久しぶりにプチ同窓会を開くことになった。
参加者は10名ほど。
もちろん、そのヅカなふたりも大喜びで参加するという。

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