お酒をおいしく飲む方法

私は、お酒がめっぽう強い。
10人に聞いたら10人が「お酒強そうですよね」と言われる。
見た目で人はどう「お酒が強い」と思うのか「お酒が弱い」と思うのかは分からない。
客観的に見ても、外向的で、場を仕切るのがうまい人を「お酒が強い」とすりこみされているように思う。

私もその例にもれず、見た目は外向的で、明るいイメージな雰囲気なので、初対面の人にもかかわらず、必ず「お酒強そうですよね~」と言われる。
私がお酒に強くなったのは、私自身が育った環境がまさに「体育会系」だからだ。

大学は体育の教師を育成する「教育学科」だった。
月曜はバスケ、火曜はテニス、水曜はバレーというように、毎日スポーツ三昧の日々を過ごした。
全国各地の体育会系が集まった、30名ほどのクラスメートは、本当に全員がまさに「ザル」がごとく、お酒が強かった。

大学の中でも1クラスしかない「体専」と呼ばれるクラスは特殊で、毎日同じメンツでの授業を受けていることもあり、結束も強かった。
そして、1週間に必ず2度は吞み会があった。

当時は今やなつかしい「イッキ呑み」全盛期で居酒屋では「○○の酒の呑むとこ見て見たい、そらイッキ!イッキ!」の掛け声とともに、グラスをイッキ呑みはどこでも見られる光景だった。

しかし、こちとらは体育会系。
イッキも並大抵のものではなかった。
たとえば、吞み会の途中でトイレに行き、仲間の元へ帰ってくると、ビールのジョッキが5杯待ち構えている。

それは、教育学科の体専の先輩方から代々受け継いできた「おかえりイッキ」という洗礼だ。
その5杯ものビールをイッキ呑みしないと席に座る事ができないのだ。
そして、みんな、平気な顔でジョッキ5杯を開け、イカゲソの唐揚げなどをつまむ。

そんな吞み会で、一番気をつかうのは、自分のジョッキは常に満杯にしていないといけないという暗黙のルールだ。
ジョッキが半分以下になってもお酒を追加注文しないと、ちょっとよそ見をしただけで、日本酒やらビールやらサワーが混合された「オリジナルちゃんぽんカクテル」の恐怖が待っているからだ。

もちろんイッキだ。
今なら、絶対にない吞み会だろう。
そんな吞み会を拒否する権利もある。
最近ではお酒が飲めない男子も多いと聞く。

しかし、あの当時のまさに「体育会系吞み会」はみんな酒好きだったから、楽しかった。
日本全国、そして世界各国、おいしい食べ物とお酒は切っても切れない縁がある。
その土地での、その景色での、そして、その料理を味わいながら、酒を味わう。

これこそ、生きる醍醐味!と思っている。
昔はただイッキで盛り上がっていた若気の至りが、今では役に立っている。
お酒をおいしく飲むためには、まずは、お酒が強くなる事だ。

体質的に無理な人に無理強いはしないが、お酒が強いと、人生に得な事が多いような気がするのは、私が酒好きだからだろうか?

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