専業主婦
若い女性で、専業主婦になりたい人が増えているそうだ。
奥さんは家にいるのが当たり前。
そんな時代に産まれた私は、母親は結婚して7年ほどは専業主婦だったようだ。
しかし、平成大不況まっただ中になった90年代中盤以降から、女性の社会進出が叫ばれた。
母親も家計のことを考えて働き始めた。
時を同じくして「派遣」という働き方が増えてきた時代だった。
福利厚生の充実した正社員を雇う余裕がない企業はこぞって派遣や契約という雇用の仕方を始めた。
男女関わらず、正規雇用でないために、満足に賃金がもらえない時代が始まった。
育児休暇制度や保育園の充実など、なかなか状況は変わらないまま。
一部の上場企業に勤める人以外は、働かなくては正社員でない旦那の給料では暮らせない状態。
それが今もずっと続いている。
そんな状況で育ってきた若い女性が、苦しそうな母親達を見て「私は専業主婦になりたい」と思うのも無理は無い。
楽をしようとしているゆとり世代だと批判されているようだが、そんな状況で育ったのだからしょうがない。
母親は家にいて、父親が稼いでくる。
そんな良い状況を知らないからこそ憧れるのはそんなに悪いことだろうか。
しかし憧れたところで、専業主婦になれている女性が実際に増えているというデータはない。
実際に結婚してみると、そうは言ってられないと働きにでる女性も多いのが現状だ。
旦那が外で稼ぎ、昼間に主婦が街でお金を落とす。
これが一番経済が回るという経済学者もいれば、海外のように女性もキャリア志向を持つべきだという人もいる。
一つ言えるのは、過去の状況と比べたところで、時代が違うのだから、他の世代がとやかく言うのは意味が無いということだと思う。