プロ棋士としての一日
あるプロ棋士が特集されていました。
対局以外にどんな過ごし方をするのだろうと、興味があり見ていましたが、至極普通の生活をされている方でした。
いや、至極普通の生活を、意識して行っているように見えました。
サラリーマンと同じように朝の電車に乗り、対局場へ向かっていく。
対局3分前に対局場へ着き、これまたサラリーマンが仕事をするのと同じように、いそいそと対局を開始する。
本当に、対局を特別なものとして見ず、『通常業務』を行う感じで対局をしていました。
それを見た時、プロとしての心構えという特別なものが感じられませんでした。
普通のスーツ、コートで対局場へ行き、対局を開始する。
プロ棋士にとっては、『普通であること』、『何気ない一日』として対局の一日を過ごすことが重要なのだと感じました。
強いプロ棋士だと、それこそ毎日のように対局、あるいは練習を頭の中で繰り返していることと思います。
もし、対局のことを考え、一日中緊張しているとすれば、身が持たないと思いました。
『普通であること』、『何気ない一日』を通勤や世間話をして過ごすことは、プロ棋士にとってとても大事なことなのだと。
そのプロ棋士は、30代半ばの年齢でしたが、日常というものをとても大切にしているように感じました。
そして、その何気ない一日の中で、対局を通して人生を見ているようにも思えました。
プロ棋士としての一日は、私が過ごす一日とはかなり違う一日だと思います。
どれだけ非日常の世界から、日常の世界を過ごすようにするか。
プロ棋士にとっては、『日常の世界』を過ごすことが、とても大切なことなのだと思いました。
そして、『何気ない』一日の中から、棋士としての高みが見えてくるのだなと感じました。
それは、悟りに近いものかもしれませんね。